「孫貧乏」という言葉を聞いたことがありますか?
祖父母の立場だと孫が可愛くってあれこれ買ってあげたり、援助したりなりますよね。
しかし、孫に援助しすぎて自分たちの生活が経済的に厳しくなってしまうことを指します。
自分達の生活を維持しながら上手に子供や孫と付き合っていかなくてはなりません。
そこで「孫貧乏」に陥らない為の注意点について解説します。
自分達の時間もまだまだ楽しみながら孫にも無理のない援助をしましょう。
Contents
孫貧乏に陥りやすい人の特徴

孫貧乏に陥りやすい人はどのような特徴を持っているのでしょうか。
もしかしたら、無意識に自分達も孫貧乏への道を歩み始めているかも知れませんよ。
特徴をよく理解して、自分達と照らし合わせてみましょう。
特徴1.退職金や年金ををあてにした無計画な生活
会社に長年勤務した後に定年退職する予定でいるなら、退職金が支給されます。
公的年金は原則65歳からが支給年齢となっています。
今現在、会社に勤めていて安定した収入があって、「退職した後も退職金と年金があるからなんとかやっていける」とのんきに構えていませんか。
特に年金は少子高齢化に伴って、今後年金支給額も減っていくと考えるのが自然の流れです。
今現在と同じ生活水準を維持していくことは厳しくなると思っても過言ではありません。
例えば、60歳で定年退職し年金支給年齢の65歳までの間退職金と今まで蓄えてきた預貯金で生活しようとしていたら要注意です。
年金をもらう65歳になった時点で、退職金と預貯金の残高が残りわずかとなっていたら「老後貧乏」への道をまっしぐら。
退職後、たとえ再雇用されて働けたとしても現在と同じ給与は支給されません。
無計画なお金の使い方をしていると、いざ孫にお金を使いたいと思っても自分達の生活を維持することも危ぶまれ、孫どころではなくなってしまうのです。
特徴2.子供や孫にねだられやすい
子供や孫にねだられたらなんでも期待に応えなくてはと思っていたら要注意です。
また自分たちの意識も「このくらいお金を持っていて当然」や「このくらい子供や孫にやってあげて当然」と思い込んでお金を散布していませんか。
親のこのような考えが子供に伝わり、子供からしたら「親がお金を出してくれるのがあたり前」と思うようになってしまいます。
子供が結婚して孫が誕生した後も「孫の教育資金が必要だから」とねだられることもあるでしょう。
しかし本当にそれでいいのかもう一度考えてみましょう。
援助をするのが悪いとは思いません。
しかし、限度があることを理解しておかないと自分たちの老後の資金まで使ってしまうことになりかねないのです。
特徴3.お金や物をすぐあげてしまう
孫が遊びに来てくれたらつい色々買ってあげたくなってしまいます。
孫は本当に可愛い存在ですよね。
しかし、孫も大きくなってしまうと祖父母の家まで幼い時のようには来なくなるのが常です。
「小さい内しか買ってあげられないから」となんでも欲しいものを買え与えるとそれが当然のように思うようになってしまいます。
孫も大きくなるにしたがって、欲しいものも高額化してしていき自分たちの間隔もそのころには麻痺していく可能性も。
孫は祖父母に会いたくて遊びに来ているのではなくて、何でも買ってくれる存在が便利でやってくるようになっていきます。
大きくなってからの正しい金銭感覚を養っていくためにも孫への物やお金の与え過ぎには充分注意しましょう。
孫貧乏にならない為の対策

孫貧乏にならないためにも今から対策を考えていく必要があります。
自分達の老後の生活をどのようなものにしたいのかという「生活像」を描いてみましょう。
生活像を描くことでそれが「目標」へと変化していきます。
目標が決まればそれに向かい「計画」を立て自分たちが描く「生活像」に近づくように実行していきましょう。
では、孫貧乏に陥らないための対策を紹介します。
対策1.いずれ貰う年金とのバランスを考える
65歳を迎え、年金だけで生活しようと考えた時に月額いくら年金が支給されるか知っていますか。
40年間保険料を支払った人が満額もらえる額は64,941円です。
年金は偶数月の支給になるので毎月支給されるわけではありません。
2ヶ月に1回129,882円支給されるのです。
厚生年金は報酬や加入期間によって支給額が変わって来ますが、平均の月額が147,051円です。
国民年金だけの人に比べたら倍はもらえますが、いずれにしても「今の生活を維持できるほどはもらえないんだな」と思ってもらってOK。
限られた年金での生活をいずれ迎えると考えると、たとえ退職金が支給されるとしても贅沢は出来ないことが判りますね。
今の内から老後の資金の蓄えを計画的にやっていくことが重要ですね。
対策2.孫の教育資金などの大きな援助を安易に引き受けない
孫の教育資金の制度が2013年4月から始まりました。
孫1人に対して1、500万円まで非課税で教育資金を贈与できる制度です。
まとまった貯えがあって、孫が1人や2人なら贈与を考えている人もいるのではないでしょうか。
しかし、こちらはちょっとした落とし穴があり一度設定した贈与枠は解約したり返金が出来ないのです。
貯えがあるからと安易に教育資金の援助を引き受けてしまって、後に自分たちの生活が苦しくなって返金してもらいたくても出来ないのです。
万が一、返金してもらったとしても逆に戻してもらった祖父母に贈与税がかかってしまいます。
このようなデメリットも持ち合わしている教育資金の非課税制度は、自分達の老後の生活の計画と照らし合わせて慎重に検討していただきたいと思います。
対策3.孫や子供にお金をかけすぎない
孫や子供の存在はかけがえがない大切な存在ですよね。
つい、少し無理をしても喜んでもらいたいと孫や子供にお金やプレゼントを渡してしまいがちです。
しかし孫貧乏にならないためにも身の丈にあった援助に留めるべき。
孫や子供に援助する前に、先ずは自分達の老後の生活を豊かに楽しいものにすることにフォーカスしましょう。
子供家族が帰省するたびに食事や交通費を負担してしまっている親御さんも多いようですが、それがあたり前になってしまうといざ生活が苦しくなってもやめることが難しくなります。
お金だけではなく育児の分担も同じです。
子供夫婦と同居していたり、近くに住んでいる場合は孫の面倒を頼まれることが少なくないと思います。
家事分担や育児の分担もよく話し合って決めないと、いつの間にか自分たちの分担の方が多くなってしまう場合があります。
自分達はあくまでも「祖父母であり親ではありません」
責任の所在をはっきりさせ、子供夫婦や孫との生活が心地良いものであるようにしましょう。

まとめ
孫貧乏に陥る人の特徴は、老後の資金の確保や生活水準を下げるなどの工夫や対策が出来ないことが原因です。
子供が独立し孫も出来て幸せなはずの老後の生活。
良かれと思って続けた子供や孫の援助が原因で「孫貧乏」に陥ってしまうなら本末転倒となってしまいます。
退職金や年金の支給額をある程度想定して、余裕のある貯えを備えて老後を迎えることが重要です。
可愛い孫といつまでも良好な関係を保って、明るい老後を迎えましょう。